臨床を楽しめるようになるために
はじめに
みなさん、臨床を楽しめていますか?
臨床は楽しくやらないと面白くないですよ。
臨床を楽しむ、楽しめるようになるためにはどうしたらいいかを書き記します。
治るからこそ楽しい
臨床を楽しめるか否かは、治せるかどうかです。
治るから楽しいのです。
KenjiSeki先生の言葉を借りれば、治る前提でやるから、毎回治療を楽しめるのです。
治る前提で、
どうやって治してやろうか?
この治療をしたらどうなるだろうか?
とやれればワクワクが止まりません。
正に心持ちの大事です。
信じること
治る前提で臨床に臨むためには、
- 人間は元々治るようにできている
- 病気を治すのは患者の生命力であり
- それを引き出す鍼灸の力を
信じることです。
自己治療の大事
信じれるようになるためには鍼灸治療で病気が治った、体が元気になったという実体験が一番腑に落ちます。
一番いい方法は、自分が病気になったら、不調になったら、自己治療をして、自分で自分を治すことです。
風邪を引いたら先ずは自分で治療するのです。
病気の程度にもよるかもしれませんが、病院に行くのは最後の最後です。
私は胆石仙痛を4回やりましたが、全部自分に鍼してお灸して痛みを止めました。
お陰さまで胆のう炎だけでなく、急性膵炎の痛みも止められるようになりました。
こういう経験をすると、否が応でも信じられるようになります。
自分で自分を治せたら、臨床においても患者の生命力とそれを引き出す鍼灸の力を信ることができ、治る前提で臨床に臨めます。
治らない理由
自己治療をしても、よくならないとします。
よくすることができないのにはワケがあります。
- 基本的な勉強が足りていない
- 基本的な技術が足りていない
からです。
基本的な勉強が足りていなくて治せないのであれば、治せるようになるまでしっかりと勉強してください。
基本的な技術が足りていなくて治せないのであれば、治せるようになるまで技術修練に励んでください。
どちらも水準に満たない場合は、直ぐにでも取りかかりましょう。
一番いいのは、師匠について2~3年はじっくりと見習うことです。
それが叶わないのであれば、自分がこれだと思った学術団体に所属して、その流派の学術を人に教えられるようになるまで学ぶことです。
そうして、開業して悪戦苦闘を重ね、修行期間から足掛け10年ぐらいすれば治せるようになります。
私も駆け出しの頃は全く治せませんでした。
特に情けなかったのが、風邪引きさんだった長男がよくかかっていた流行り病を治せなかったことです。
その度治療はすれども全く歯が立たず、我が子の病気も治せないのかと、本当に力不足を痛感させられました。
それでも前を向いてコツコツと努力を積み重ねて、段々と治せるようになり、治せるようになってくると、治療をするのが楽しくなっていきました。
10年前に来てくださっていた患者さんが、今来てくれたら治せるのになぁと思うことが多々あります。
技というのは、どっしりと腰を下ろして、コツコツと努力を積み重ねて、ようやく身に付くものです。
それも、一本の鍼と一つまみの艾だけで病気を治そうと思えば尚更です。
これができない人は患者を病苦から救うことはできません。
結果、患者が治らないので楽しくありません。
臨床が苦痛で苦痛でたまらなくなります。
本来は楽しいはずなのに。
まとめ
臨床を楽しめるようになるためには
- いかなる患者であっても治る前提で治療すること。
- 患者の生命力とそれを引き出す鍼灸の力を信じること。
- 自分が病気になったりや不調のときこそ、ここぞとばかりに自己治療をして自分で自分を治すこと。
- 治せるのようになるためには最低でも10年は1つの道に打ち込むこと。
- 術前術後で行った治療の良否を判定し客観的に評価すること。そうすることで何が効いて何が効かなかったのかが分かる。
- 患者の声に真摯に耳を傾けること。
おわりに
孔子の論語に、「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」とあるように、楽しみながら鍼灸道を究めましょう。
10年かかりますが、本当に鍼灸を愛してやまないなら苦難の道ではなく、楽しくて仕方がないはずです。
そして鍼灸臨床においては、治せてこそ楽しめますから、治せるように努力しましょう。
また、「光ったナイフは草原の中に捨てられていても、いつか人が見出すものだ。」という清沢満之師(信州大谷派の僧)の格言に、鍼灸師としての在り方が集約されています。
自らを売り出す必要はありません。
師の言葉にあるように、己を磨き続ければ、いつか誰かが見つけてくれます。
世の中が無視できないくらいのまばゆい光を放てるように技術と人間性を磨いてください。
私は経絡治療家ですが、経絡治療の勉強が楽しくて仕方がありません。
ここまで打ち込めるものに出会えたことは幸せなことだと思います。
私にとっては、経“楽”治療です(*^^*)
どうか、みなさまにとって、臨床が楽しめる場となることを願っております。
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