疾患別治療法

鍼灸適応症 NIH(米国 国立衛生研究所) (公社)日本鍼灸師会HPより抜粋

目次

  1. はじめに
  2. 脳・頭顔面部の疾患
  3. 神経難病
  4. 眼科疾患
  5. 耳鼻咽喉科疾患
  6. 歯科|口腔科
  7. 呼吸器疾患
  8. 消化器疾患
  9. 循環器疾患
  10. 神経症・精神疾患
  11. 内分泌疾患
  12. 泌尿器疾患
  13. 婦人科|産科
  14. 皮膚疾患
  15. 小児科(漢方では小児門)
  16. 運動器疾患
  17. 悪性腫瘍

はじめに

ここで紹介する治療法は、経絡治療における補助療法(特殊療法)と標治法(対症療法)です。

これらは先輩方の臨床実践によって効果が確証された優れた特殊療法と対症療法です。

経絡治療家にとってはもちろんのことですが、経絡治療以外の先生方にも使っていただきやすい流派を選ばない治療法です。

現在メインでされている治療法に必要に応じてプラスワン(+1)していただければ幸いです。

いくつかの治療法の基本事項を記します。

奇経治療

a.奇経灸

主穴に5壮-従穴に3壮知熱灸。だいだ灸なら2壮-1壮。無熱灸なら10壮-6壮。ドライヤー灸・カイロ灸なら5秒温めるのを1壮として5壮-3壮。

b.粒貼付

主穴に金粒-従穴に銀粒を貼付。銅粒-亜鉛粒でも可。

c.粒+奇経灸

金銀粒または銅亜鉛粒を貼った上から奇経灸。

より強力に効きます。

子午治療

a.太鍼で補う

金鍼30番、古代4鍼、中国鍼を接触して五行程補う。

b.施灸

知熱灸5壮。だいだ灸1壮。無熱灸10壮。ドライヤー灸・カイロ灸5壮。

c.粒貼付

金粒か銅粒を貼付。

d.中野式

古代鍼で補って→銅粒を貼付して→その上から知熱灸5壮して→ドライヤー灸・カイロ灸5壮を自宅でセルフケアしてもらい→早期回復。

八卦皮内鍼法

最圧痛点に印をつける→上下左右各斜めの8方向から印に向けて仮止めし、どの方向から止めた時が一番圧痛が和らぐかを検出し固定する→その上から知熱灸3壮。

捻挫、肉離れ、オスグッド、虫垂炎、大腸憩室炎などあらゆる腫れ痛みに鎮痛効果を確認しています。

刺鍼

標治法は、撚鍼法や接触鍼を基本としていますが、管鍼法や置鍼法で応用していただいても問題ありません


-脳・頭顔面部-

高次機能障害

言語障害

①奇経

舌診して舌を開口させ、舌歪した側と反対側の、内関-公孫か公孫-内関にテスターを当て、再度開口して下を出させると歪が真っ直ぐになる。

ならなければ、舌歪した側の内関-公孫か公孫-内関に取る。

良くなる側の照海-反対側の列缺も加えるとなおよい。


②唖門をよく補う。


半身不随その他

③百会の斜め後ろ

半身不随があれば、梗塞側の百会の斜め後ろ2~3ミリの陥凹部、半身不随がなければ百会の梗塞側と反対側の百会の斜め後ろ2~3ミリの陥凹部に対して、前向きにつまり顔の方に向けて横刺か斜刺で刺鍼。

「置鍼」でも「撚鍼」でも「てい鍼」でも可。

脳疾による後遺症

奇経治療

照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)+後谿(患側)-申脈(患側)

※患側とは麻痺側やしびれる側や知覚異常が起こっている側。

脳三穴
  1. 耳を前に折って耳上各が当たる所の陥凹部(角孫)。
  2. 耳を上下に折った中央の先端から耳後に下りた骨上の陥凹部。
  3. 唖門の2横指外の圧痛硬結。

熱中症

予後の判定

爪を押して色が戻らないほど重症。

治療前に
  • 番茶に塩を入れて飲ませる。
  • 少し横にならせて休ませる。
本治法

脾虚証で太白・大陵を補う。顔が赤ければ陰陵泉・曲沢を補う。

奇経治療

公孫-内関か内関-公孫+列缺-照海か照海-列缺。

標治法
  • 檀中・中脘に知熱灸3~5壮。
  • 第7~第8胸椎棘突起間の右脊際の反応に円皮鍼かパイオネックス貼付
予防法

梅干しを食べる。梅干しの苦手な子供には番茶に塩を入れて飲ませる。

脳血管障害後遺症

・後谿(患側)-申脈(患側)or申脈-後谿+照海(患側)-列缺(健側)

奇経の治療方法は、①知熱灸:主穴に5壮-従穴3壮 ②金銀粒貼付:主穴に金粒-従穴に銀粒 ③無熱灸:主穴に10壮-従穴に6壮 ④ドライヤー灸:主穴に5壮-従穴に3壮。

※お灸は熱くする必要はない。患者が温かみを感じたら取り去る。お灸の基本は患者が気持ちいいと感じる程度。

※金銀粒の貼付時間は基本は3時間で毎日取り換えてもらう。

※無熱灸とは、宮脇優輝先生が盲人鍼灸師のために考案した温熱器を使った施灸方法。

※ドライヤー灸・・・家庭用のドライヤーをお灸代わりに使って行うセルフアケ。熱くなくぬるくなく丁度気持ちいい位置からツボに1,2,3,4,5と5秒間数えて止める。これを1壮とカウントする。

(以降、ここで紹介する奇経治療はこれを基本とする。)

※奇経治療については、サイトメニューの宮脇奇経治療を、知熱灸・無熱灸・ドライヤー灸に関してはサイトメニューの各施灸法を参照してください。


右半身不随→百会の左斜め2~3ミリ後ろから前に向けて刺鍼。撚鍼であれば抵抗まで刺入して気至るを度として抜鍼。管鍼法であれば斜刺または横刺で置鍼。

左半身不随→百会の右斜め2~3ミリ後ろから前に向けて刺鍼。撚鍼であれば抵抗まで刺入して気至るを度として抜鍼。管鍼法であれば斜刺または横刺で置鍼。

・言語障害→瘂門に直刺。

てんかん

・後谿(患側)-申脈(患側)+公孫(患側)-内関(患側)

・百会から1寸~2横指の前後左右の4点に施灸。

・膻中・身柱・長強に知熱灸。

奇経は、①知熱灸:主穴に5壮-従穴3壮 ②金銀粒貼付:主穴に金粒-従穴に銀粒 ③無熱灸:主穴に10壮-従穴に6壮 ④ドライヤー灸:主穴に5壮-従穴に3壮。

長強は知熱灸3~5壮。

・脾虚で本治法。

脾虚の場合は左季肋部に反応が出る。

※大人の癲癇は発作の頻度が少なくなってくる。また発作前に食べたくなるのが特徴。

・養生 甘いものを控える

・セルフケア 奇経、長強、百会前後左右4点は自宅でドライヤー灸。

めまい・ふらつき

①奇経治療

a.目が回る・ゆれる・ふらつく

首を左右に向けさせて気分が悪くなる側の臨泣-外関か外関-臨泣。

吐き気が伴う場合は上記の奇経に加え、心窩部~左季肋部に反応があれば左の内関-公孫か公孫-内関、心窩部~右季肋部に反応があれば右の内関-公孫か公孫-内関、あるいは中脘の左脊際に反応があれば左列缺-右照海、中脘の右脊際に反応があれば右列缺-左照海、心窩部~季肋部と中脘の両方に反応があれば陰維脉か衝脉に、任脉までも加える。めまいだけなら帯脉か陽維脉、めまいに吐き気が伴えば(帯脉か陽維脉)+(陰維脉か衝脉)+任脉の3経を同時に用いる。

b. 立ちくらみ

後谿-申脈(+照海-列缺)

単純な立ちくらみは腎虚証、起立性障害は脾虚証か肝虚証か肺虚証。

②標治法

a.圧痛の強い側の角孫に刺鍼。

b.瞳孔線上で髪際の下1寸~1寸5分の凸で圧痛の強い側に刺鍼。

c.下風池および分界項線上のコリ(天柱・風池・完骨)に刺鍼。

d.百会に知熱灸10壮。無熱灸なら20壮。

頭痛

①後頭部痛

照海-列缺or太衝-通里or後谿-申脈or申脈-後谿。

外後頭隆起と乳様突起を結んだ線上で風池から完骨よりの髪際から骨に入ったところの骨の陥凹部に反対側の目に向かって刺鍼。

②前頭部痛

陥谷-合谷or内関-公孫or公孫-内関。

足三里に刺鍼。

③側頭部痛

臨泣-外関or外関-臨泣。

率谷を前から後ろに向けて斜刺または横刺。

④眉陵骨痛(内眥)

内関-公孫or公孫-内関or陥谷-合谷。

⑤頭頂部痛

左太衝-左通里。

⑥目の奥が痛い。

太衝-通里or照海-列缺+内関-公孫or陥谷-合谷or申脈-後谿。

目系(肝経・腎経・心経・胃経・膀胱経)の変動。

⑦共通

下風池・分界項線上のコリに刺鍼。

顔面・眼瞼・口唇痙攣

※左側は比較的予後が良く、右側は予後が悪い。

・患側の肝実。太衝が的中する確率が高い。

・脾-三焦、胃ー心包の子午治療。

・陥谷-合谷(合谷-陥谷)or内関-公孫(公孫-内関)。

・下風池・完骨および分界項線上のコリに刺鍼。

蛇行性/円形性脱毛症

・基本は腎虚だが、フケやベタつく場合は肝虚、栄養が行き届いていない場合は脾虚である。

・フケやベタつく場合は太衝ー通里+照海ー列缺。

・先ず、集毛鍼で患部が発赤するまで刺激し、次いで、治熱灸3壮。範囲が広ければ、はげている部分と正常な部分の境界、等間隔で一箇所2壮くらいで取り巻く。さらに範囲が広ければ中央・東・西・南・北に配して施灸する。最後に、灰皿に粗い艾を入れて火をつけ、新聞紙で帽子をこさえて灰皿に被せ、先端から煙が出るようにして、患部を集中的に燻す。

・セルフケア

集毛鍼の代わりに亀の子だわしで患部が発赤するまで痛くなく叩いて刺激し、お灸の代わりにドライヤー灸5壮。5秒間温めるのを1壮カウントする。

認知症

・照海-列缺+後谿-申脈か申脈-後谿

・鎖骨上窩・側頚部・顎下のコリを取る。

小脳変性症

・照海-列缺+後谿-申脈or申脈-後谿

・左の承泣を鍉鍼で補う。

・本証が右の肺虚か脾虚で副証で左の肝の補瀉を施す相剋調整が的中する場合がある。

-神経難病-

振戦|ふるえ

奇経治療
  1. 後谿-申脈or申脈-後谿
  2. 後谿-申脈or申脈-後谿+外関-臨泣or臨泣-外関
頭鍼法

より震える側を患側とし、健側の百会斜め後ろ2~3ミリの陥凹部に前向きに刺鍼。

筋萎縮症

■頭鍼

□底背屈が弱い、握力が弱い側と反対側の百会。百会の斜め後ろ3ミリの反応に対し前向きに刺鍼。

□底背屈が弱い、握力が弱い側と反対側の瞳孔線上で前髪際の下2横指の反応に対し直刺。

■奇経治療

後谿(患側)-申脈(患側)+臨泣(患側)-外関(患側)

■経絡骨盤調整療法

膝を立て内転外転し下肢の内側が引き連れる場合は上前腸骨棘の下内方の反応、外側~腰臀部が引き連れる場合は股関節横紋外端の反応に刺鍼。

ギランバレー症候群

奇経

後谿(患側)-申脈(患側)+臨泣(患側)-外関(患側)

-眼科疾患-

黄斑変性症

圧痛の強い側の臂臑に知熱灸7壮。

眼精疲労

陽白・攅竹・睛明・承泣・太陽(客主人・瞳子髎)

※陽白は眉毛の中央に取った方がよく効く。

白内障

腎肺の病症

照海(患側)-列缺(健側)or列缺-照海

緑内障

肝胆の熱

患側の臨泣―外関or陥谷-合谷

圧痛の強い側の臂臑に知熱灸7壮。

黄斑変性

腎の弱り

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

斜視

■奇経治療

公孫(患側)-内関(患側or左)or内関(患側or左)-公孫(患側)+臨泣(患側or左)-外関(患側)or後谿(患側or左)-申脈(患側or右)

■標治法

睛明・陽白・承泣・瞳子髎・太陽・客主人・下風池

内斜視は太陽を補う。外斜視は睛明を補う。

飛蚊症

根結治療

a.中央に飛んでいる(胃根結)・・・中央厲兌か厲兌を鍉鍼で補い虫が薄くなったら取る+承泣。

b.内側に飛んでいる(膀胱根結)・・・至陰を鍉鍼で補い虫が薄くなったら取る+睛明。

c.外側に飛んでいる(胆根結)・・・足竅陰を鍉鍼で補い虫が薄くなったら取る+瞳子髎。

結膜炎

■奇経治療

合谷(患側)-陥谷(患側)+列缺(患側)-照海(健側)

■標治法

□陽白・攅竹・睛明・承泣・太陽(客主人・瞳子髎)に瀉的散鍼。

□分界項線上のコリを取る。

眼瞼下垂

上瞼は足太陽、下瞼は足陽明とされるが臨床的には総じて脾胃の変動

患側の陥谷-合谷

2~3・4~5頸椎

下風池

陽白(まゆげの上)・客主人・太陽・承泣・睛明

脾虚といわれているが案外に肺虚も多い。

めばちこ・ものもらい・麦粒腫・目潰瘍

①澤田流合谷

②根結治療

内側・・・至陰

中央・・・中央厲兌か厲兌

外側・・・足竅陰

③奇経

陥谷-合谷

虹彩の病

肝の変動。

太衝-通里

瞳の病

腎の変動。

照海-列缺+陥谷-合谷

目の充血

患側の沢田流合谷に

①知熱灸10壮

②無熱灸20壮

③ドライヤー灸5秒5回(セルフケア)。

目を突いた

患側の大滑空穴に知熱灸10壮。

取穴部位:親指の第1関節を曲げてできる手背側の横紋の中央。

-耳鼻咽喉科疾患-

味覚障害

奇経治療
季肋部を押さえて圧痛が強い側の内関-公孫か公孫-内関と、中脘の左右の脊際を押さえて圧痛の強い側の照海-反対側の列缺か圧痛の強い側の列缺-反対側の照海。
標治法
唖門に置鍼。

唾液が出ない

陥谷‐合谷と照海‐列缺

膻中と中脘

下風池と上関と下関と噛み合わせて膨れるところ

第7・8胸椎棘突起間の右脊際

無呼吸症候群

檀中、中脘に施灸。

第7-8胸椎右脊際に刺鍼×パイオネックス。

呼吸法 鼻で4秒吸って1秒止めて10秒程かけてゆっくり鼻で吐く×5~10回。

運動法 患者のおでこと術者の掌で力比べ5秒間×5回。両顎子の下に親指を入れて力比べ5秒間×5回。

発声法 あ・い・う・えの時に上あごに舌をつけてできるだけ長く「えー」を発声する×5回。

食べ方に気を付ける。

鼻炎

右陥谷-右合谷か右合谷-左陥谷で変わらなければ患側の陥谷-合谷か合谷-陥谷。

健側の足三里+温留、患側の陽池に刺鍼。

中耳炎

①奇経

照海(患側)-列缺(健側)or列缺-照海+陥谷(患側)-合谷(患側)or合谷-陥谷

②子午

反対側の蠡溝+大鐘。患側がハッキリしなければ耳下を押さえて圧痛の強い側を患側とし、その反対側に取る。

③耳3穴。

耳を縦に折った上側の頂点が第1点、縦に折った折り目に沿って耳の後ろに指を滑らせ降りたところ、乳様突起の1寸ほど上の骨の陥凹部を第2点、耳たぶの直下の圧痛を第3点とする。

1・2点は切皮置鍼。3点は深さを合わせる。先ず切皮→様子をうかがう→変化すればそこで置鍼→変化しなければ鍼を進めて抵抗に当たったら一旦止める→様子をうかがう→変化すればそこを度とし、変わらなければまた抵抗まで進める。この手順を繰り返し、深さがあった時点で症状が変化する。

鼻炎

つまっている側と反対側の足三里と温留とつまっている側の陽池を補う。

花粉症

①奇経

陥谷-合谷

②秘伝

風池・風市に置鍼10~15分、小児や鍼が苦手な方には鍉鍼を当て陰陽・陰陽・陰陽のリズムで指頭叩打すること6呼吸で取る。

風邪をさばくことができる。

③標治法

鼻づまり・・・迎香に下向けに鍉鍼を当て鼻が取りだしたら取る。

鼻が垂れる・・・迎香に上向けに鍉鍼を当て鼻水が止まったら取る。

難聴・突発性難聴・各種難聴

①奇経

患側の臨泣-外関or外関-臨泣。

頭痛や頭の違和感があれば後谿-申脈も加える。

②標治法

  • 耳3穴。

耳を縦に折った上側の頂点が第1点、縦に折った折り目に沿って耳の後ろに指を滑らせ降りたところ、乳様突起の1寸ほど上の骨の陥凹部を第2点、耳たぶの直下の圧痛を第3点とする。

1・2点は切皮置鍼。3点は深さを合わせる。先ず切皮→様子をうかがう→変化すればそこで置鍼→変化しなければ鍼を進めて抵抗に当たったら一旦止める→様子をうかがう→変化すればそこを度とし、変わらなければまた抵抗まで進める。この手順を繰り返し、深さがあった時点で症状が変化する。

  • 瞳孔線上で髪際から1~2横指下の圧痛。

③証

そのほとんどが肝虚証 。

副鼻腔炎(蓄膿症)

奇経

患側の陥谷-合谷or合谷-陥谷

顔や鼻の骨が変形してたら合谷-陥谷

龍仙流

湿>熱なら陰陵泉+曲池、熱>湿なら曲池+陰陵泉

標治法

鼻づまり・・・迎香に下向けに鍉鍼を当て鼻が取りだしたら取る。

鼻が垂れる・・・迎香に上向けに鍉鍼を当て鼻水が止まったら取る。

耳閉

1.耳3穴。

耳を縦に折った上側の頂点が第1点、縦に折った折り目に沿って耳の後ろに指を滑らせ降りたところ、乳様突起の1寸ほど上の骨の陥凹部を第2点、耳たぶの直下の圧痛を第3点とする。

1・2点は切皮置鍼。3点は深さを合わせる。先ず切皮→様子をうかがう→変化すればそこで置鍼→変化しなければ鍼を進めて抵抗に当たったら一旦止める→様子をうかがう→変化すればそこを度とし、変わらなければまた抵抗まで進める。この手順を繰り返し、深さがあった時点で症状が変化する。

2.乳様突起から耳の付け根の反応に刺入していき聴こえるようになったところで留置・円皮鍼・PM粒・皮内鍼

耳づまり

①子午

患側と反対側の健側の大鐘を金の10~30番・古代鍼・中国鍼などの太い目の鍼で接触鍼で補い、患側の蠡溝を同じように補う。次いで、この2穴に金粒を貼付してその上から大鐘から順に知熱灸8壮、蠡溝に6壮。自宅ではドライヤー灸でセルフケア。

人迎の圧痛の強い側→弱い側の順に刺鍼。

②標治法

大椎と風門に知熱灸7壮。

嚥下困難

①奇経

舌診して舌歪している側の内関-公孫or公孫-内関

②標治法

膻中と中脘。

亜門・下風池。

声帯ポリープ・扁桃腺・のどの痛み・耳下腺痛

①子午

患側が分かれば患側・判別しなければ開口してライトを当て腫れている側・あるいは人迎の圧痛の強い側を患側とし、反対側健側の蠡溝or大鐘を軽く触って人迎の圧痛が和らぐツボを選穴し、金の10~30番・古代鍼・中国鍼などの太い目の鍼で接触鍼で補い、金粒を貼付してその上から知熱灸5壮自宅ではドライヤー灸でセルフケア。

②奇経

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

③標治法

下風池

2~3頚椎の圧痛

-歯科/口腔-

口唇ヘルペス・口角ヘルペス

奇経治療
  1. 患側の公孫-内関か陥谷-合谷。
  2. 左右への偏りがなければ、右公孫-左内関か右陥谷-右合谷。
標治法
  1. 口角の場合は患側の角孫。
  2. 局所の親玉に知熱灸3壮。

歯ぎしり

内関-公孫or公孫-内関

歯痛

①上の歯(歯茎はこの逆)・・・陥谷-合谷

厲兌から刺絡。

②下の歯(歯茎はこの逆)・・・合谷-陥谷

商陽から刺絡。

③上の前歯・・・督脈

④下の前歯・・・任脈

※歯痛は瘀血。

口腔内の痛み

・内関-公孫

・分界項線上のコリを取る。

口内炎

①奇経
同側の内関-公孫or公孫-内関+同側の手五里

②標治法

下顎のリンパ腺の周りを抜き差しする

支正の虚した側に皮内鍼を貼付または知熱灸10壮。

少沢の刺絡

呼吸器疾患

咳と痰

列缺-照海の変法で、孔最(尺沢と曲池と孔最を結んだトライアングルの中央もしくやや肘より陥凹部の圧痛硬結を孔最とする)-照海に主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸し主穴に金粒、従穴に銀粒を貼付。

大椎と風門に知熱灸7壮

喘息

①発作時

a.呼気が苦しい・・・右列缺-左照海・肺虚

b.吸気が苦しい・・・左照海-右列缺・腎虚

c.大椎

②緩解期

普段から治療またはセルフケアして喘息の温床となる湿痰の邪気を除いておく。

a.呼気が苦しい・・・右列缺-左照海・肺虚

b.吸気が苦しい・・・左照海-右列缺・腎虚

c.大椎

d.証

実喘が多く、肝虚肺実証や腎陰虚証や左の脾虚証で本治法。

虚喘は肝虚・腎虚・脾虚・肺虚の気虚で生命レベルが低下した状態で、時として重篤な場合に陥ることがあり慎重に臨床を進めなければならない。

鼾(いびき)

扁桃が腫れている側もしくは人迎を押えて圧痛の強い側と反対側の蠡溝or大鐘

肺炎

 左右炎症している側を患側として、照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)。

太陽病に対する汗法

後頸部と肩背部に散鍼して、左右で汗をかかない側の金門に瀉法して後、汗をかく側の太淵を補う。

消化器疾患

肝硬変・腹水

奇経治療

右太衝-右通里と患側の照海-健側の列缺

子午治療

左通里に経に従って皮内鍼を止める。

標治法(圧痛があれば使う)
  1. 右志室の下ら辺の圧痛硬結
  2. 恥骨上際から関元の圧痛硬結
  3. 水分・小腸兪の圧痛硬結
  • 肝性脳症
  1. 適応側の湧泉にてい鍼の頭を当て陰陽陰陽陰陽のリズムで意識が明瞭になるまで指頭叩打。
  2. 両方の湧泉を揉む。

ガスがたまるお腹がはる

左公孫-左内関と左照海-右列缺

臍の上下左右各3横指の4点に知熱灸5~7壮。

膻中に知熱灸5壮。

右膈兪一行に刺鍼。

脾兪と大腸兪に圧痛があれば刺鍼。

細菌性腸炎(食中り)

奇経治療

公孫-内関+陥谷-合谷

標治法

臍の上下左右の圧痛4点に知熱灸3~7壮。

下痢には左曲池の1ミリ上の圧痛硬結に知熱灸7壮。


脾虚か脾実

養生

便の状態に合わせた食事を摂る。

水様便 水分だけ

泥上便 おかゆ

胆のう炎

①右鎖骨の上の圧痛(欠盆の付近)にナソ治療。

■ステンレス二番鍼を接触、そーっと進めて抵抗で止める。鍼先が緩むのを度としてポンッと抜鍼、鍼口を軽く閉じる。

■てい鍼を接触、補う。気至る(わからなかった4~6呼吸)を度として真上におもむろに抜きあげる。鍼口は閉じない。1呼吸して押し手を取る。

②右季肋部の緊張を和らげる奇経パターン(右内関-右公孫か右通里-右太衝か右太衝-右通里)+右照海-左列缺に奇経治療。

右季肋部の最も圧痛のある個所に印をし、どちらの奇経にテスターを貼った時の方が痛みが和らぐかを比べて和らぐ方を使う。

金銀粒かPM粒を貼付、主穴に5壮従穴に3壮で知熱灸か10壮6壮で無熱灸。セルフケアはドライヤー灸5壮3壮。

③肝-小腸で子午治療。

左腕骨の比較的太めに鍼(金鍼30番・中国鍼・古代鍼)を接触して補う。その後で知熱灸7壮、金粒かP粒を貼付。セルフケアはドライヤー灸7壮。

④肝胆の実と考えて脾虚か肺虚で本治法。適応側は男女とも左。

膵炎

①左内関-左公孫+左照海-右列缺か太衝-通里に奇経治療。

②脾-三焦で右外関に子午治療。

③七椎下右脊際に深瀉浅補か円皮鍼。

胃炎・胃痛

①奇経

a.心窩部に反応がある。

心窩部から左季肋部にかけて圧痛や不快感があれば左の内関-公孫か公孫-内関

心窩部から右季肋部にかけて圧痛や不快感があれば右の内関-公孫か公孫-内関

b.中脘に反応がある。

中脘の左脊際を押さえて圧痛があれば左列缺-右照海

中脘の右脊際を押さえて圧痛があれば右列缺-左照海

c.心窩部も中脘もある

内関-公孫または公孫-内関+列缺-照海

治療は知熱灸・無熱灸・ドライヤー灸・金銀粒貼付etc.

②標治法

Th7-8棘突起間の右脊際に刺鍼または円皮鍼。

吐き気・嘔吐

①証

脾虚証か脾実証。

基本は脾虚肝実証。めまいで嘔吐は肝虚脾実証。

②奇経

a.心窩部に反応がある。

心窩部から左季肋部にかけて圧痛や不快感があれば左の内関-公孫か公孫-内関

心窩部から右季肋部にかけて圧痛や不快感があれば右の内関-公孫か公孫-内関

b.中脘に反応がある。

中脘の左脊際を押さえて圧痛があれば左列缺-右照海

中脘の右脊際を押さえて圧痛があれば右列缺-左照海

c.心窩部も中脘もある

内関-公孫または公孫-内関+列缺-照海

d.左照海-右列缺+左陥谷-左合谷の場合も時にある。

治療は知熱灸・無熱灸・ドライヤー灸・金銀粒貼付etc.

③標治法

Th7-8棘突起間の右脊際に刺鍼または円皮鍼。

至陽~膈兪の間に現れる圧痛に刺鍼。

肺兪・心兪・肝兪・胆兪・脾兪・胃兪(男は右を軽く補い左をよく補う。女は左を軽く補い右をよく補う。)脾兪で止める。

上腹部痛

・内関-公孫or公孫-内関

・肋骨縁の尖端にPM粒か皮内鍼(鍼の方向が大事)八卦の方向に向けて仮止めし痛みが引く方向に固定する。またその上から知熱灸3壮。

・背部Th7・8・9・10の脊際。

逆流性食道炎

第7椎下の脊際、至陽~膈兪の間に現れる圧痛に刺鍼。

ゲップ

胃の中に空気が入って消化が悪い、中脘を中心に巨闕・剣状突起に圧痛

・右Th7椎下の脊際に置鍼。

・腹直筋の外縁に散

しゃっくり

脾の変動で脾-三焦の子午陰陽関係で外関

便秘

左公孫-左内関と左陥谷-左合谷

・下腹部正中の最も虚している(軟弱・凹み)箇所に鍉鍼の丸のついた尻尾を接触して、鍉鍼の尖端を陰陽・陰陽・陰陽のリズムで指頭叩打すること6呼吸。打鍼でも可。

・沢田流神門にお灸。

大腸出血

大腸がんなどがある側の照海-孔最or孔最-照海

カネコ点(臍と腸骨棘を結んだ線上で腸骨棘から1/3、臍から2/3の圧痛点とその上下3点)に知熱灸

①切れ痔

孔最-照海か照海-孔最。

a.下腹部任脈の抵抗が強ければ孔最-照海。

b.天枢の抵抗が強ければ照海-孔最。

基本は孔最は右、照海は左とする。

明らかにお尻の痛みに左右の偏りがあれば痛い側を患側とし、患側の孔最-照海か照海-孔最。

※孔最の取穴部位は、①通常の孔最か②尺沢と曲池と通常の孔最を結んだ三角形の中央かやや肘よりの陥凹部の圧痛硬結を孔最とする。

※肛門を膀胱経と診て肺-膀胱の子午陰陽関係で健側の孔最を取る考え方と、単純に魄門と診て孔最を患側に取る考え方がある。

②イボ痔

孔最-照海か照海-孔最。

a.下腹部任脈の抵抗が強ければ孔最-照海。

b.天枢の抵抗が強ければ照海-孔最。

基本は孔最は右、照海は左とする。

明らかにお尻の痛みに左右の偏りがあれば痛い側を患側とし、患側の孔最-照海か照海-孔最。

③あな痔

孔最-照海か照海-孔最。

a.下腹部任脈の抵抗が強ければ孔最-照海。

b.天枢の抵抗が強ければ照海-孔最。

基本は孔最は右、照海は左とする。

明らかにお尻の痛みに左右の偏りがあれば痛い側を患側とし、患側の孔最-照海か照海-孔最。

脱肛

①奇経

患部の痛む側や違和感がある側の孔最-照海

②標治法

百会に知熱灸10壮

下痢

①証

a.泄瀉(つつくだし)・・・脾虚

b.痢病(裏急後重)・・・腎虚

c.肝虚・肺虚もある。

いかなる証も合水穴を選穴して本治法。

②特効穴

左曲池の1ミリの上の圧痛硬結に知熱灸7~8壮。

③五泄

胃泄は、飲食が化せず、色は黄なり.

脾泄は、腹が脹満し、泄注し、食べれば即ち嘔吐し逆す.

大腸泄は、食すれば已て(やがて)窘迫し、大便の色は白く、腸は鳴りて切痛す.

小腸泄は、溲して膿血を便し、小腹が痛む.

大瘕泄は、裏急、後重し、数々(しばしば)圊(セイ かわや)に至るも便すること能わず、茎中が痛む.

虫垂炎(盲腸)

①奇経治療

右陥谷-右合谷+右照海-左列缺(または右公孫-右内関+右照海-左列缺)

②子午治療

a.右下腹部の腎経ラインが痛い・・・左偏歴(腎-大腸)

b.右下腹部の胃経ラインが痛い・・・左内関(胃-心包)

c.右下腹部の脾経ラインが痛い・・・左外関または※左会宗(脾-三焦)

※会宗は津波倉の灸では虫垂炎の特効穴とされている。これは経験的子午治療ではないかと推測する。

③八卦皮内鍼法

最も痛む部に印をつける→皮内鍼を上下左右各斜めに向けて仮止めし最も痛みが和らぐ方角に向けて固定する→その上から知熱灸3壮。

④証

左脾虚肝実証か左脾虚胃実証。

大腸憩室炎

■右大腸憩室炎

①奇経治療

右陥谷-右合谷+右照海-左列缺(または右公孫-右内関+右照海-左列缺)

②子午治療

a.右下腹部の腎経ラインが痛い・・・左偏歴(腎-大腸)

b.右下腹部の胃経ラインが痛い・・・左内関(胃-心包)

c.右下腹部の脾経ラインが痛い・・・左外関(脾-三焦)

③八卦皮内鍼法

最も痛む部に印をつける→皮内鍼を上下左右各斜めに向けて仮止めし最も痛みが和らぐ方角に向けて固定する→その上から知熱灸3壮。

④証

基本は腎虚脾実証。肝虚脾実証もある。

■左大腸憩室炎

①奇経治療

左陥谷-左合谷+左照海-右列缺(または左公孫-左内関+左照海-右列缺)

②子午治療

a.左下腹部の腎経ラインが痛い・・・右偏歴(腎-大腸)

b.左下腹部の胃経ラインが痛い・・・右内関(胃-心包)

c.左下腹部の脾経ラインが痛い・・・右外関(脾-三焦)

③八卦皮内鍼法

最も痛む部に印をつける→皮内鍼を上下左右各斜めに向けて仮止めし最も痛みが和らぐ方角に向けて固定する→その上から知熱灸3壮。

④証

基本は腎虚脾実証。肝虚脾実証もある。

循環器疾患

胸の痛み

※厥心痛と真心痛を鑑別する。

①厥心痛

・列缺-照海or内関-公孫

・天宗の圧痛側

・身柱orTh5~6

②真心痛

救命救急の要請が何より先決。

救急車が到着するまでの間の治療の良否によって予後が変わる。

必要な心肺蘇生を施した上で

a.本治法

左の大陵と右の太衝を補う。

b.標治法

巨厥・鳩尾を補う。

心臓疾患

・内関-公孫or公孫-内関or太衝-通里

・郄門・労宮

肋間神経痛

・脾虚or肺虚(経金穴)

・内関-公孫or外関-臨泣

動悸

内関-公孫or公孫-内関or列缺-照海or照海-列缺

高血圧

①鎖骨の直下で最圧痛点を見つける→そこを指圧しながら4秒かけて息を吸う(秒ごとに指圧を強める感じで行う。)→息を吸ったら4秒間息を止める。4秒数えながら鎖骨下の圧痛点を同じように指圧する→4秒止めたら吐けるだけ息を吐ききる。もちろんその間指圧し続ける。これをぬるま湯で毎日セルフケアしてもらう。より効かすコツは楽しいことを瞑想しながらやってもらう。

②吸気時にしんどい場合は腎虚証で照海-列缺。呼気時にしんどい場合は肺虚証で列缺-照海。通常は逆気と診て合水穴、数脉であれば経金穴を選穴。

③愁訴で頻尿があれば、第11胸椎~仙骨部までの間の圧痛に知熱灸なら3~5壮無熱灸なら6~10壮ドライヤー灸なら3~5壮。

神経症・精神疾患

うつ病

①証

心虚証で本治法。

柳下流・・・気分が落ちている→左の大陵(必要に応じて右の太衝加える)。

香取流・・・左曲線・右大陵・左肓兪・左肝兪を補う。

②丹田の治療

上丹田:トラウマを消すところ:印堂に水晶のてい鍼を当て頭脳の邪を抜く。

中丹田:心神を鼓舞するところ:言霊を活用する。

下丹田:胆を据わらせるところ:仙腸関節を整える。上後腸骨棘の高い側の沢田流小腸兪に龍仙打鍼。

※言霊と龍仙打鍼のやり方はサイトメニュー秘伝を参照。

【パニック障害】

腎虚証・肺虚証・肝虚証の順に多い。

【手足の汗】

通里-太衝or内関-公孫or列缺-照海or照海-列缺

【自汗】

身柱に上向きに皮内鍼を貼ってその上から知熱灸7~8壮

【トラウマ】

印堂に水晶の鍉鍼を当てる。

【変なものが見える】

腎虚

内分泌疾患

【糖尿病】

・左照海-右列缺+左内関-左公孫or公孫-内関

・左意舎に脊椎に向けて斜め上向きに皮内鍼を止める+脊中に上向きに皮内鍼止める。

【壊死】

患部に知熱灸またはドライヤー灸

甲状腺機能低下症・亢進症

■奇経

①照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側or左)

②照海(患側)-列缺(健側)+内関(患側or左)-公孫(患側)

③列缺(患側)-照海(健側)+内関(患側or左)-公孫(患側)

④列缺(患側)-照海(健側)+公孫(患側)-内関(患側or左)

■子午治療

伏臥(妊婦の場合は仰臥)で、鎖骨の内側を上って当たる喉頭隆起の際の左右を比べ腫れているあるいは圧痛が強い側を患側とし、反対側健側の蠡溝を10~30番・古代鍼・中国鍼などの太い目の鍼で接触鍼で補い、知熱灸5壮、金粒を貼付し、自宅ではドライヤー灸でセルフケア。

■標治法

C4・5患側の脊際の緊張に対し、吸気に刺入、呼気で刺動法を繰り返し抵抗が緩んだら抜鍼。円皮鍼を貼付。

■証

脾虚か腎虚で本治法。

-泌尿器疾患-

亀頭・睾丸痛

痛い側と反対側の蠡溝に知熱灸5壮。

自宅でドライヤー灸でセルフケア

尿閉

■奇経治療

太衝-通里or公孫-内関+照海-列缺

■子午治療

腎-大腸で健側の偏歴か温留。

■標治法

□蠡溝の左右を比べて圧痛の強い側に知熱灸5壮、反対側に3壮。

□中極に円皮鍼。

□Th11~L2と仙椎の督脉上の圧痛に知熱灸。

膀胱炎

①奇経治療

恥骨の高さで腹直筋の外縁を押さえて左右で圧痛の強い側を患側として、照海(患側)-列缺(健側)と陥谷(患側)-合谷(患側)。

主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸。無熱灸なら10壮-6壮。ドライヤー灸なら5秒を1回として5壮-3壮。

主穴に金粒、従穴に銀粒貼付。

②腎兪・大腸兪に知熱灸3~5壮。

③仙椎の圧痛を検出して知熱灸3~5壮。

頻尿・夜間頻尿・遺尿

・右太衝-右通里+右照海-左列缺

・中極に皮内鍼or金粒+水道・水分+腎兪・膀胱兪に知熱灸3壮、無熱灸なら6壮、ドライヤー灸でセルフケア。

尿路結石

お腹の痛む流注に対する子午治療

腎経→大腸経の絡・郄

胃経→心包経の絡・郄

脾経→三焦経の絡・郄

むくみ

■鑑別

□浮腫 脾虚か腎虚。

□水腫 肝虚。

■本治法

適応側の水泉を補って、証にしたがって合水穴で本治法をして、非適応側の水泉を補う。

腎虚の浮腫み・・・顔まで浮腫む。蛋白尿。腎臓病。

脾虚の浮腫み・・・足が浮腫む。心臓疾患。

肝虚の浮腫み・・・水腫。

■奇経治療

左照海-右列缺+右申脈-左後谿。

■標治法

□腎兪・膀胱兪に知熱灸

□両水泉に銀粒またはM粒を貼付。

□足の三焦経の阻滞を疏通する。

夜間頻尿

右の肺虚証が多い。

中極に皮内鍼をとめてその上から知熱灸なら3~5壮無熱灸なら6~10壮ドライヤー灸なら3~5壮。

第11胸椎~仙骨部までの間の圧痛に知熱灸なら3~5壮無熱灸なら6~10壮ドライヤー灸なら3~5壮。

婦人科/産科

子宮内膜を厚くしたい

子宮内膜を肌肉と考える。

脾は唇を主る。陰部の唇も脾が主る。

照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)

基本は腎虚。

母乳が出ない出にくい

■奇経治療

陥谷(患側)-合谷(患側)or公孫(患側)-内関(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

■標治法

□天宗に刺鍼、円皮鍼。

□檀中に知熱灸5~10壮。

■民間療法

牛蒡子をすり鉢で細かくして煎じて服用。

冷え症

■沢田眞伝流

□足陽寒。

左右を比べ圧痛の強い側に多壮、反対側は少壮。知熱灸なら5壮-3壮、無熱灸なら10壮-6壮、ドライヤー灸なら5壮-3壮、左右差がなければそれぞれ3壮ずつ、6壮ずつ、3壮ずつとする。

※別名「寒府」とされている。一身上の寒邪が集まるところ。

■標治法

□蠡溝・三陰交・中封・至陰。

左右を比べ圧痛の強い側に多壮、反対側は少壮。知熱灸なら5壮-3壮、無熱灸なら10壮-6壮、ドライヤー灸なら5壮-3壮、左右差がなければそれぞれ3壮ずつ、6壮ずつ、3壮ずつとする。

※中封の取穴部位は、足関節を背屈してハッキリする前脛骨筋の付着部と内踝尖を結んだ線上のほぼ中央付近の陥凹部を探ると著明な圧痛硬結がありここに取る。

生理痛

1)奇経治療

恥骨の高さで左右の腹直筋の外縁を押えて圧痛の強い側の、

□太衝(患側)-通里(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

□公孫(患側)-内関(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

に①主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸。無熱灸なら主穴に10壮、従穴に6壮

②主穴に金粒(銅粒)、従穴に銀粒(亜鉛粒)を貼付。

③より効かそうとするなら主穴に金粒(銅粒)、従穴に銀粒(亜鉛粒)を貼付してその上から主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸。

④自宅でドライヤー灸でセルフケア。

2)蠡溝に知熱灸。

左右を比べて圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、左右差がなければ両方3壮ずつ。

3)志室~やや下の反応

左右比べて圧痛が強い側に刺鍼。

月経前症候群

■奇経

恥骨の高さで左右の腹直筋の外縁を押えて圧痛の強い側の、

□太衝(患側)-通里(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

□公孫(患側)-内関(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

■標治法

蠡溝・三陰交・中封・至陰に知熱灸。

左右を比べて圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、左右差がなければ両方3壮ずつ。

不正出血

■本治法

肺虚証として右太淵をてい鍼で補い、一診目は関元と中極を鍉鍼で補い、二診目は気穴と大赫を補い。三診目以降はこれをローテーションする。三診目(太淵・関元・中極)→四診目(太淵・気穴・大赫)→五診目(太淵・関元・中極)→六診目(太淵・気穴・大赫)→・・・。

■標治法

蠡溝に知熱灸。左右を比べて圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、左右差がなければ両方3壮ずつ。

■奇経

恥骨の高さで腹直筋の外縁を押えて圧痛の強い側の、

□太衝(患側)-通里(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

□公孫(患側)-内関(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

子宮筋腫

■奇経

恥骨の外側の腹直筋を押えて痛む側を患側として、

□照海(患側)-列缺(健側)+太衝(患側)-通里(患側)

□照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)。

■標治法

体表から触知できるぐらい腫れていれば腫れているところと正常な皮膚の境を等間隔で取り巻くように刺鍼か施灸。

子宮内膜症

■奇経

恥骨の外側の腹直筋を押えて痛む側を患側として、

□照海(患側)-列缺(健側)+太衝(患側)-通里(患側)

□照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)。

乳腺炎・乳腺症

■奇経

□照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

□公孫(患側)-内関(患側)

■八卦皮内鍼法

痛む箇所に八卦の方向に皮内鍼を仮止めし、最も圧痛がひく方向に向けて固定する。

■標治法

患側の天宗。

卵巣のう腫・のう胞

■奇経

□照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

□照海(患側)-列缺(健側)+太衝(患側)-通里(患側)

【生理不順・無月経】

中条流4点+石門に皮内鍼+腎兪+大腸兪+三陰交+中封+至陰+右太衝-右通里+右照海-左列缺

*出すは三陰交、止めるは蠡溝と覚えておく。

【下腹部痛】

照海-列缺

【帝王切開の傷が痛む】

照海-列缺

お産の際、血小板が少なくて輸液しなければならない

  • 蠡溝

左右の押さえて圧痛の強い側の蠡溝に知熱灸7壮。それで圧痛が取れなければ、圧痛が半分以下になるまで多壮。

反対側にも3壮しておく。

  • 奇経治療

恥骨の高さで腹直筋の外縁を左右比べて圧痛の強い側の照海(5壮)-反対側の列缺(3壮)知熱灸して金銀粒貼付。

  • 肩井、合谷、三陰交、中封、腎兪、大腸兪

肩井、合谷に10壮、三陰交、中封、腎兪、大腸兪は、左右を比べて圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、左右差なければ3壮ずつ知熱灸。

  • セルフケア

自宅で、蠡溝、照海-列缺、肩井、合谷、三陰交、中封、腎兪、大腸兪にドライヤー灸。

肩井、合谷は暇さえあれば自分かご主人の手を借りて指圧マッサージ。

皮膚疾患

掌蹠膿疱症

ぬるま湯で手を濡らし、その手に砂糖をまぶしてこすり合わせる。

しばらくして、ふき取るか洗い流す。

これを根気よく続けると良くなる。

【おでき】

・周囲を補う

・患部に知熱灸3壮、無熱灸なら6壮。

【吹き出物・皮膚炎・湿疹・ニキビ・目の充血】

・澤田流合谷に知熱灸10壮、無熱灸なら20壮、ドライヤー灸10壮でセルフケア。

・ぬるま湯で手を濡らし、その手に砂糖をまぶしてこすり合わせる。

しばらくして、ふき取るか洗い流す。

これを根気よく続けると良くなる。

【手荒れ・あかぎれ】

・患部にクリームを塗って直接知熱灸痛みが引くまで。

・自宅で風呂上りにドライヤーで乾かす。

・指・・・三焦経

・手のひら・・・内関-公孫

澤田流合谷に知熱灸10壮、無熱灸なら20壮、ドライヤー灸10壮でセルフケア。

【しもやけ】

患部に瀉的散鍼してドライヤー灸

【静脈瘤】

・周囲を集毛鍼で叩いて発赤させた後、取り巻き知熱灸。

・腰部、腸骨稜の湾曲の角、仙骨の1指2指ぐらいの反応に刺鍼。

・L5腰仙椎の脇

・尾仙骨接合部の外側縁の圧痛

【陰部のかゆみ】

蠡溝

【インキンタムシ・水虫】

患部をドライヤーで乾かせる

【抜け毛・フケ・髪の毛のベタつき】

・肝虚。

・太衝-通里・照海-列缺。

【円形脱毛症】

患部を集毛鍼で散鍼→知熱灸→煙を患部に照射。

毛根は腎、栄養は脾、長短は肝、艶は肺。

【蕁麻疹】

食事性・・・裏内庭。

それ以外・・・合谷と築賓(解毒のお灸)に知熱灸10壮、無熱灸なら20壮、ドライヤー灸10壮でセルフケア。

小児科(漢方では小児門)

小児七才神童也

小児七才までを神童とします。神様に守られているので治ります。

お腹が痛いなど朝ぐずって学校に行きたがらない

「このおへそは学校に行きたくないと言ってるよー」とか「学校に行きたくないのはお母さんのおっぱいが飲みたいんだなー」と言って子どもを和ませるように工夫する。

おうちでも毎朝母親にそのように対応させる。

子の親に対する不安であり甘えである。

甘えなので甘いものを好む。

「チョコレートは控えた方がいいよーっておへそが言ってるよー」と言って子どもに納得して控えていってもらう。


身柱、至陽、脊中、膻中、中脘に金銀粒を貼る。

公孫-内関と照海-列缺。

便秘

左の公孫-内関と陥谷-合谷

左の上前腸骨棘~鼠径上部の間の塊に対して周りを等間隔に鍉鍼で補鍼。

左の志室周辺の塊に対して周りを等間隔に鍉鍼で補鍼。

左臀部を瀉的に散鍼して後をよくなでる。

下腹部正中の最陥凹部に6呼吸打鍼。

不登校・ひきこもり

①証 

心虚証で左の大陵を補う。

②丹田の治療

上丹田:トラウマを消すところ:印堂に水晶のてい鍼を当て頭脳の邪を抜く。

中丹田:心神を鼓舞するところ:言霊を活用する。

下丹田:胆を据わらせるところ:仙腸関節を整える。上後腸骨棘の高い側の沢田流小腸兪に龍仙打鍼。

※言霊と龍仙打鍼のやり方はサイトメニュー秘伝を参照。

急性発熱・高熱

①本治法

■男児は左の復溜、女児は右の復溜を鍉鍼で五行程補う。

■太陽病であれば足を触って熱い側の金門を小里てい鍼の尖った方で経に逆らって3回ほどサッサッサッと切るような手技で瀉す。

■陽明病であれば手足を触って熱い側の二間か三間、豊隆や上虚巨に同様の瀉法。

※瀉法は分からなければやらなくてもよい。

※肺経には温める作用があるため下手に手を出すと却って発熱するリスクがあるので補わない方が危なげない。

②標治法

■両手に水かきの鍼(足は基本やらないが触って足も熱ければやってもいい。)。

■全身に気を巡らすように小児はり。

■最後に適応側と反対側の後谿または合谷にチョンと止め鍼。

チック症

【鼻血の止め方と予防】

風府に置鍼して、左の鼻血であれば右の大鐘を、右の鼻血であれば左の大鐘を補い、左の尺沢と曲池と孔最を結んだトライアングルの中央の陥凹部の圧痛に知熱灸3~5壮。

【チック】

音声チック・・・口頭隆起の左右を押えて圧痛側と反対側の蠡溝

顔チック・・・動かす流注をよく見て子午治療。痙攣する場合は蠡溝・太衝。

【発達障害】

1. 香取流

よく動く・・・腎虚・肺虚

大声を出す・・・脾虚

2. 柳下流

脾腎相剋心肺いらず

【夜泣き】

肝腎を経に随って圓鍼で撫で、胆膀胱を経に逆らって撫でる。

自宅でタワシを使ってセルフケア

【斜頚】

脾虚(肌肉の弱り)

側頚部の天容やその周辺を補う。

【乗り物酔い】

外関(圧痛側)・三陰交に経に対して垂直に皮内鍼+左内関-圧痛の強い側の公孫に金銀粒またはPM粒+中央厲兌に金銀粒またはPM粒。

【水頭症】

照海-列缺+後谿-申脈。

【修学旅行などで生理を遅らせる】

左右を比べて圧痛の強い側の蠡溝+両三陰交+左築賓に経に対して垂直に皮内鍼+右太衝-右通里+右照海-左列缺に金銀粒またはPM粒。

発達障害

脳の未発達 腎

肌肉の未発達 脾

疲れ知らず 脾実

脉が診れない未就学児は脾腎相剋心肺要らず。男児は左脾右腎、女児は右脾左腎。

小学生以上は脉診して証を決める。だいたい腎虚か脾虚。

問題行動や情緒の不安定や変なものが見える場合は、治療前に呼吸を整える。4秒かけて鼻で息を吸い一拍止めて10秒ほどかけて鼻から息を吐くを5~10回行う。そして胸を上から下に撫でる。腎虚で合水穴。

食欲にムラがあれば公孫-内関。

意思の疎通が図れない子はとにかく褒める。これで治療がしやすくなるし、家でもやりやすくなる。

四肢が弱い柔らかすぎる場合は公孫-内関+陥谷-合谷



運動器疾患

足のしびれ

1.つま先~足先のしびれ痛み 腰陽関~大腸兪の間の圧痛硬結。

2.つま先から上~ふくらはぎ~大腿後面~臀部のしびれ痛み 尾てい骨の横の圧痛硬結。

3.下肢外側のしびれ痛み 仙腸関節の過度の所の圧痛硬結。

鍼の深さがあった時点でしびれ痛みが変化する。

4.しびれる箇所とそうでない箇所の皮膚の感じが違う。その境界線に施灸。

臀部痛

1.第2-3頸椎に刺鍼して深さを合わせる。

2.腰陽関、仙骨上、尾骨周辺の圧痛硬結に刺鍼または施灸。


オスグッド

■標治法

□①上前腸骨棘の下内方②股関節横紋の内側③上前腸骨棘の真下で腱と腱の間の3点で最も痛みが軽減する箇所に刺鍼、円皮鍼。

□最も痛みの強い骨の出っ張った所に八卦の方向に皮内鍼を仮止めして調べて、最も圧痛のひく方向に向けて固定する。そしてその上から知熱灸3壮。

シンスプリント

■標治法

□仰臥で患側の膝を立て、股関節横紋上で上前腸骨棘の下方に浮き出てくる2本の腱の間、あるいは腱の内外の圧痛硬結に刺鍼、円皮鍼。

□患部の最圧痛点に八卦皮内鍼法して、その上から知熱灸3壮。

■子午治療

肝-小腸で健側の腕骨か支正。

脾-三焦で健側の外関。

【頚肩腕症候群】

・頸部痛

側屈痛→三焦経の天牖

回旋痛→小腸経の天容or天窓

後屈痛→2~3頸椎

・頚椎症による手のしびれ

親指と人差し指の叉を4~5頸椎に当て人差し指の当たるところ

・胸郭出口症候群

鎖骨上窩・側頚部のコリ・肩と首の付け根の骨状のスジバリを緩める。

※接触鍼か鍉鍼でやる。

【書痙】

・四瀆・・・尺部を三等分して肘側の1/3にとる。

・天宗・天髎の下の凹み・後ろ肩髃。

・頸椎2~4叉は脊際に呼気に刺入、吸気に回旋を4~5呼吸してから留置。

【五十肩】

・肩甲棘の外端の反応、肩髃のほぼ真裏に、刺鍼&パイオネックス。

・刺絡が最も効く。患部を避けてその周囲に血絡を求める。

手指の痛み屈伸不利(腱鞘炎・手根管症候群・へバーデン結節など)

腋下に示指を置き母指で胸筋をつまんで鳥口突起までの間に現れる圧痛硬結。第1第2肋間から鎖骨・鳥口突起の周辺の探ってくと筋状の圧痛硬結が上下に2か所あり、先ずそこに印をつけ、次に鍉鍼を当ててどっちに当てたときの方が症状が改善するかを問う。よくなる方にステンレス鍼1~2番をそーっと接触し、鍼先が止まるところまでゆっくりと進めて止まったら保持、2~3呼吸ほどで、鍼先がスーッと緩んできたらそれを度としてポンッと抜鍼。毫鍼がキツイ人は鍉鍼でやる。パイオネックスを貼ってあげると持続する。

【腰痛】

・寝返りが痛む

大転子の上角の前後の圧痛の強い方。

・起居動作が痛む

仰向けで膝を立ててできる股関節横紋の外端。

・後屈痛

脊中+腰陽寒or上仙の圧痛の強い方。

・ぎっくり腰

圧痛の強い側の中封で、皮内鍼を八卦の方向に止め、圧痛の最も軽減する方向に向けて固定する。

【膝痛】

膝蓋骨をど真ん中で区切って、

・内側が痛い→仰向けで膝を立て上前腸骨棘下内方に刺鍼。

・外側が痛い→環跳(仰向けで膝を立ててできる股関節横紋の外端に取る)

宮脇流では、

①膝を曲げると痛い・階段を昇ると痛い→患側の公孫-左内関

②膝を伸ばすと痛い・階段を降りると痛い→左(時に右もある)太衝-左通里

③膝の前が痛い→陥谷-合谷

④膝の裏が痛い→申脈-後谿

①~④を患者の病体に合わせて組み合わせる。

【陸上選手】

・数脉・・・短距離向き

・遅脉・・・長距離向き

【足首のねん挫】

・胆経上が痛い→外関-臨泣or臨泣-外関+足竅陰から刺絡。

・膀胱経上が痛い→申脈-後谿+至陰から刺絡。

・内踝周辺が痛い→照海-列缺

・足首の中央が痛い→陥谷-合谷+厲兌から刺絡。

・最も痛みの強い所に八卦の方向に皮内鍼を仮止めして調べて、最も圧痛のひく方向に向けて固定する。そしてその上から知熱灸3壮。

-悪性腫瘍-

胸腺がん

・奇経

左内関-左公孫(公孫-内関)+列缺-照海(照海-列缺)

・標治法

膻中+中脘に施灸。

唾液腺がん

列缺-照海か照海-列缺+内関-公孫か公孫-内関

膵臓がん

◎補助療法

■奇経

左照海-右列缺+左公孫-左内関(または左内関-左公孫)

左内関-左公孫or左公孫-左内関+左照海-右列缺or左列缺-右照海。

■子午

脾-三焦で右外関

■経絡頚腕調整療法

左鎖骨上窩の圧痛に接触鍼か鍉鍼で補う。

◎標治法

第78胸椎棘突起間右脊際に刺鍼×パイオネックス。

■左膈兪脊際に深瀉浅補か円皮鍼。

■左脾兪脊際に深瀉浅補か円皮鍼。

■膻中

◎証

脾虚か肺虚か腎虚

◎腹水があれば上記の治療を基本として下記の治療を加える。

■左照海-右列缺。

■志室~腸骨の間の圧痛硬結に八卦皮内鍼法か金粒かP粒かご飯粒を貼付。

■章門~京門の間の圧痛硬結に八卦皮内鍼法か金粒かP粒かご飯粒を貼付。

■中極に八卦皮内鍼法か金粒かP粒かご飯粒を貼付。

■亜門をよく補う。

大腸がん

虫垂がん・上行結腸がん・横行結腸がん(右寄り)

◎補助療法

■奇経

右陥谷-右合谷か右公孫-右内関+右照海-左列缺

◎標治法

下血があればカネコ点に八卦皮内鍼法してその上から知熱灸3壮。

◎証

脾虚肝実証か肺虚肝実証か腎虚脾実証

横行結腸がん(左寄り)・下行結腸がん・S状結腸がん・結腸がん

◎補助療法

■奇経

左陥谷-左合谷か左公孫-左内関+左照海-右列缺

◎標治法

下血があればカネコ点に八卦皮内鍼法してその上から知熱灸3壮。

◎証

脾虚肝実証か肺虚肝実証か腎虚脾実証

甲状腺がん

奇経治療

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

子午治療

健側の蠡溝or大鐘

標治法

C3・4・5の緊張をとる。

肛門がん

孔最(健側)-照海(患側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

時に後谿(患側)-申脈(患側)まで入る時がある。

※肛門は魄門で肺の主りであるが、患部を膀胱経と考え、反対側の肺経を使うことで正経+奇経+子午の作用が並行して影響する。

肺がん

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

乳がん

■奇経治療

陥谷(患側)-合谷(患側)or公孫(患側)-内関(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

胆のう・肝臓がん

■奇経治療

右季肋部の緊張を和らげる奇経(右内関-右公孫か右通里-右太衝か右太衝-右通里か右列缺-左照海)

■子午治療

左の腕骨(肝-小腸の子午治療)に知熱灸7壮。

胃がん

左内関-左公孫(or右公孫)+中脘の際の左右を調べ圧痛の強い側の列缺-反対側の照海or照海-列缺

左側の季肋部の下、背腰部に反応がある。

食道がん

■奇経治療

左列缺-右照海or左照海-右列缺+左内関-左公孫

中脘の際の左右を調べ圧痛の強い側の列缺-反対側の照海+左内関-右公孫or左公孫

■標治法

督脉上の圧痛硬結に円皮鍼

前立腺がん

①照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)

②太衝(患側)-通里(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

腎臓がん

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

咽喉頭がん

■奇経治療

照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

■子午治療

腫瘍が在る側と反対側の蠡溝or大鐘。左右が判別しなければ、人迎を押えて圧痛の強い側と反対側の蠡溝or大鐘

■標治法

分界項線上のコリを取る。

脳腫瘍

脳・・・後谿(患側)-申脈(患側)+照海(患側)-列缺(健側)

※左右が判別しなければ、左後谿-右申脈+左照海-右列缺

進行して嚥下障害が出てくれば舌診して舌歪する側の内関-公孫か公孫-内関を加える。

目・・・照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)

白血病

右照海-左列缺+右太衝-右通里

腎虚

抗がん剤の副作用

手足のしびれ

1.しびれている皮膚としびれていない皮膚を触ると明確な違いがある。しびれている皮膚には指紋がない・腫れぼったい・ツルツルしている・熱感があるなど。その境界線やしびれている皮膚上に知熱灸3壮。皮膚の感じが変化し、段々としびれが取れてくる。

2.つま先から先のしびれは腰陽関の外方の圧痛硬結、つま先から上のしびれは尾てい骨の外方の圧痛硬結、下肢外側のしびれは仙腸関節の曲がり角の圧痛硬結に刺鍼し、深さがあった時点でしびれが和らぐ。

下痢

左曲池の1ミリ上の圧痛硬結に知熱灸7~8壮

カネコ点に八卦皮内鍼法してその上から知熱灸3壮。

吐き気

内関-公孫+列缺-照海

■心窩部~左季肋部に反応があれば左内関-左公孫か左公孫-左内関

■心窩部~右季肋部に反応があれば右内関-右公孫か右公孫-右内関

□中脘の左脊際に反応があれば左列缺-右照海

□中脘の右脊際に反応があれば右列缺-左照海


痛くなく 熱くなく こわくなく 人にやさしく