やけどの鍼灸治療
大阪での研修会からの帰宅中、妻からの電話!
「お母さんがおおやけどしたーッ!!」
義理のお母さんがやけどをしたらしいのだが電車内だったので詳しい事情は聞けず、とにもかくにも御坊駅につくなり妻の実家へ車を走らせる🚗
ヤカンを持ったまま床で滑って熱湯を浴びたとのこと。
直ぐに病院で手当てをしてもらい痛み止をもらう。
包帯でグルグル巻きなので患部の状態は分からないが右半身にやけどを負っている。
特にモロに浴びた右腕が痛くてたまらないとのこと。
◎診察診断
■腹診
肺虚、脾虚、心実、肝実、腎平。
■脉状診
浮・数・虚。
■比較脉診
肺虚、脾虚、心実、肝実、腎平。
■証決定
肺虚証。
■適応側
女性ではあるが右半身にやけどを負っているため健康側の左側を適応側とする考え方と、急性期の場合はまだ生気が衰退していないとみて同側を適応側とする考え方があるが、右手の先まで包帯が巻かれているので右側は使えず、前者の健康側を適応側とする考え方を採用して、左側を適応側とした。
◎治療
■本治法
銀寸三1番鍼にて左の太淵に補法→検脉→肺の脉が充実。脾の脉がまだ虚しているので左太白に同様の補法→検脉→脾の脉が充実。相剋する心と肝の実が治まる。陽経にも邪は見られない。脉が整ったので具合を効くと、痛みが少しマシになったとのこと。
■補助療法
□子午治療
今は右腕のどこが痛いかを聴くと右前腕~上腕の心経ラインに添って痛みがあるとのことなので、子午陰陽関係に当たる左の胆経を探ると臨泣と懸鐘(絶骨)に反応著名。
臨泣と懸鐘を触って右腕の痛みが和らぐのはどちらかを確認すると懸鐘を触ったときの方が和らぐので左の懸鐘に古代鍼を接触して補い、知熱灸を5壮すえ、金粒を貼付して治療を終える。
◎経過
■翌日も続けて治療を行ったが痛みはほとんどなく、患部が何かに当たると痛む程度になっている。
証はやはり肺虚証。
やけど痕から汁が出てむくんでいるので選穴を合水穴に変え左の尺沢と左の陰陵泉を補った以外は同様の治療をして2回目を終える。
■3回目からは痛みが消失したので補助療法を子午治療から古野式経絡骨盤調整療法に変更。
毎日病院に消毒と包帯を取り替えに通院しているがやけどの痕が顕著なところをだいたいの感じで包帯の上から触ってもらうと、右上肢の心経~心包経と右胸の肺経~胃経と側胸部の胆経に該当、これら患部との相互関係(子午・共軛・表裏共軛・相剋の表裏etc.)を考慮して鼠径部を探ると五枢・維道、衝門、上前腸骨棘の外方などに反応が出ているので最も浅い反応に対して内実を取るように外虚を適宜補鍼。
刺鍼後は患部の感じが変わるとのこと。
現在、新しい皮膚を早く作るために毎日継続治療中。
◎考察
やはり皮膚は肺経の司りだということがよく分かりました。
本治法で太淵を補った後、脉状が良くなったので痛みを確認するとマシになったということだったので、当たり前の話ですが脉状が変われば体は変わるということです。
子午治療は抜群の鎮痛効果があります。
経絡骨盤調整療法もよく効きます。
これはなぜでしょう?
やけどといえどもその本質は経絡変動だからです。
私たち鍼灸師は、変動経絡を調整する術(すべ)を持っているから治療ができるのです。
経絡治療は再生医療です。
中でも最も影響力があるのは何といっても本治法です。
最も古くて最も新しい高度最先端医療、東洋はり関西STYLEの経絡治療を習得したい方は是非お越しください。
0コメント