症例.流行性角結膜炎が治らないと修学旅行に行けない⁉
☑患者 義姉。
☑主訴 流行性角結膜炎による右目の充血、腫れ、目の塞がり。
☑現病歴 子供たちからご主人、姉ぎみに順番に感染。我々に移してはいけないと思い来るのをためらっていたが、治らないとドクターストップで、教師をしている小学校の修学旅行に引率できないので、何とか間に合わないかと連絡がきた。
やはり感染を気にしていたので、「俺、生命力に溢れてるから大丈夫、絶対に移らへんからおいで」と姉ぎみの背中を押してようよう来院。
☑愁訴 肩こり。
☑経絡腹診 肺脾虚、心肝実、腎平。
☑脉状診 浮、数、虚。
☑比較脉診 肺脾虚、心肝実、腎平。
☑証決定 肺虚心実証。
☑適応側の判定 女性であるが病症が右に偏っているため、健康側ではなく、左を適応側とした。
☑本治法 左太淵に補法。
肺と共に脾の脉も出たので太白はとばして、左寸口沈めて心の脉位に在る虚性の邪に対して、右心包経を切経して最も邪気実の客している右大陵に堅に応ずる補中の瀉法。
☑補助療法
✅宮脇奇経治療 宮脇奇経腹診®より任脉と手陽明脉と診断。
右列缺-右照海と右合谷-右陥谷に主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸で奇経灸して金銀粒を貼付。
☑標治法
✅大椎と風門に知熱灸7壮ずつ。
✅イトーメディカル社製アルミ圓鍼で右眼窩上縁を中心から外に向けて20回擦窩。
☑止め&セーブ鍼 中脘✖非適応側天枢✖適応側天枢✖下腹部最陥凹部&百会左斜め2~3㍉後ろの陥凹部に補鍼。
☑セルフケア 自宅で奇経にドライヤー灸をするように指導。
☑経過 3回治療して腫れと充血が引き目が開くようになり、これならば感染の心配はないでしょうとの医師のお許しをいただくことができ、無事に教え子たちと修学旅行へ✌
☑反省と考察 結膜炎は肺虚本証が多いです。
陰経を整脉力豊かに補えると、手足の陽明経に邪気実が浮いてきます。
脉状に応ずる各論的瀉法の手技手法で処理するとよくなってきます。
邪気実が深くなると心・心包に入室します。
心・心包に邪気実を認めたら躊躇せずに瀉しましょう。
経絡治療家の間でよく言われている「心に虚なし腎に実なし」は誤りです。
正しくは「五臓全てに虚実あり」が臨床的です。
何はともあれ、姉ぎみのお役に立ててよかったです。
何てったって愛する妻の姉ぎみですから。
お陰さまで僕だけお土産二つもらいました😉
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